英語4技能は何から始める?~言語は耳から覚えるもの

おうち英語

 

こんにちは。シャーンティKyotoのかよです。
シャーンティKyotoは京都の中心部、四条烏丸と烏丸五条の中間(下京区)で、
英語とヨガの教室を開いています。

英語の4技能、と言えば?

英検の試験も、Reading、Listening、Writing、Speakingに分かれています。
読む、聞く、書く、話す、ですね。

さてこの4技能、どの順番で学ぶのが一番自然なのでしょうか?
答えは「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」です。

英語も日本語も、他の言語ももちろん同じ。言語は、耳から覚えるものです。

今から英語を学ぶ子どもたちがまず最初に、そしてその後も長く取り組むべきなのは「聞く」訓練だと、
私は考えています。

本日は、「聞く」訓練の重要性、ということについて、お話をしていきたいと思います。

 

 

日本語を習得した順番

ある日の小学生クラスのレッスンの冒頭、英語タイムに入る前のことです。
私はホワイトボードに、話す、読む、聞く、書く、と書き、生徒さん達に質問しました。

「みんなはどういう順番で日本語ができるようになったのかな?一番最初はどれができるようになった?」
「聞く」と答える子、「うーん、話す?」なんて答える子。
私は答えを言った上で、次のように話しました。

みんな、まだ見たり話したりできない赤ちゃんの頃から、ずっとお母さんの声や周りの音を聞いていたよね。

たくさんたくさん日本語の音を聞いて、お父さんやお母さんがどんな時にどんな日本語を話すのか
よく聞いて、 意味を理解して、2歳くらいから、少しずつ、日本語を話し始めたね。

それから「あいうえお」を覚えたり、覚えたら絵本を自分で声を出して読んでみたり。
小学生になったら学校でひらがな・カタカナだけじゃなくて漢字の書き方もしっかり練習してるよね。

英語も同じだよ。みんなは赤ちゃんの時からたくさん英語の音を聞かせてもらって大きくなったから、
英語の音がいっぱいみんなの身体の中にたまっているんだよ。

…と、こんな話をしたのは、生徒さんたちに、
自分の英語を「聞く力」に気づいて自信を持ち、よし宿題がんばろう!と思ってほしかったからでした。

「聞く」訓練の重要性が理解されにくい現実

タブレットを操作する女の子

お子さまに、将来英語を使いこなせるようになってほしい!と期待して、英語教室にお子さまを
通わせる親御さん。お子さまの未来への、素晴らしい贈り物だと思います。

なのですが、親御さんにとって大変なのは、お子さまに宿題をさせること…!?。
子育てのいろいろなTo Doの中でも、子どもに宿題をさせるのは、結構大変だったりします。

語学学習において、毎日たくさん英語を聞くこと(インプット)はとても大切です。
英語を使いこなせるお子さまの未来のためには、1週間に1回、教室で英語に触れるだけでは
残念ながら、絶対量が全く足りません。

教室の先生はそのことをよくわかっているので、宿題を出します。
家では基礎体力作り。家でできることは家でやり、家でのインプットをベースに、
教室ではお友だちや先生と会話やゲームを通じて英語をアウトプットする経験をたくさんします。

基礎体力作りでとても大切なのが、「聞く」ことで、
おそらくみなさまは、教室に通い始めた時に、先生からそのお話を聞かれたことと思います。

宿題をきちんとやって来る子、やってこない子、様々ですが、
特に「聞く」宿題の重要性について、親御さんにご理解・実行していただくのがなかなか難しい、
と感じる英語指導者の話は、よく耳にします。

その理由について、2つの側面から考えてみました。

実体験の不足

単語帳

親御さんを含む今の大人が「聞く力」の大切さをイマイチ信じきれず、
子どもの「聞く」宿題をなかなかやらせきれない。
その背景として、自身が受けてきた英語教育の中で、「聞く」が重要視されていなかったことが挙げられます。

今の親世代が子どもの頃、「まず耳から!」などという英語の学び方は、日本では主流ではなく、
中学校から始まる英語の授業は読み書き中心でした。

そして、学校での英語学習の主たる目的は大学受験。学校の先生もその目線で教えるのが主流。
大学入学は就職につながり、最初に就職した会社で定年まで勤めあげるライフパターンが主流…、
そんな時代でした。

今でこそ、世界の中で、日本人の英語力が「低い能力レベル」と認定されるという不名誉な事態に
国も大きな危機感を抱いて英語教育改革を進めています。

でも、かつての中高生だった大人、1人ひとりからすれば、日本で暮らす以上、
「聞く力」「話す力」がなかったためにものすごく困った、という経験がない人の方が多いでしょう。

私は大学卒業後、多国籍企業に勤め、英語を使って海外とやりとりする仕事をしていました。
そのような会社でも、10歳以上年下の後輩から、
「なぜ英語ができるようにならないといけないのか全然わからない。できなくても自分は全く困らない。」
と言われて驚いたことがあります。

その時はビジネスや人材のグローバル化や日本の少子高齢化による外国人労働者の増加、
等々の社会情勢の動きを説明したところ、その場では反論の言葉はありませんでした。

が、「自分は全く困らない」というのは1つの事実で、親世代の主流はそういう人でしょう。

余談ですがその後輩は、その後お子さまが生まれ、親御さんになられたので、少し違う視点を
持つようになったかもしれません。

自分の人生にとっての英語ではなく、お子さまの人生にとっての英語を考えるにあたり、
何か変化があったのか…?
みなさまはいかがでしょうか?

「聞く力」の地味さ

不安そうな女性

教室の先生に「聞く力」がとても重要ですよ!と言われ、頭では理解できるけど、忙しい日常の中で、
気が付いたら毎日子どもに英語を聞かせる宿題が後回しになって、結局できなかったりする…。

そのような結果を生んでしまうもう一つの側面は、「聞く力」の地味さ、ではないでしょうか。

「聞く」宿題がおろそかになってしまう3つの理由と、それぞれの対応策を挙げてみました。

 1. 英語の音を流していても、お子さまが本当に聞いているのかわからない

水の入ったグラス

これはつまり、音をキャッチして脳の中で何が起きているのか、目に見えないので、
本当に効果があるのか不安になってしまう、ということですね。

確かに外から見てもわからないですね。

でも…!

脳の中で起きていることをイメージして、ぜひ信じて続けていただきたいです。

そのためにも、常に励まして一緒に走ってくれる、英語教室の先生の存在は心強いものです。

しっかり継続的に聞かせていれば、口から英語が出てくるまでの間も、お子さまの脳はフル回転して、
たくさんの英語の音を吸収し、その意味を理解する作業を繰り返しています。

そのインプットされた英語がグラス一杯にあふれそうになった時に、口からポロリと英語が出てきます。

そしてその瞬間以降もぜひ、
家でお子さまに英語を聞かせる環境作りを、できるだけ長く続けていただきたいと思います。

なぜなら、もしやめてしまうと、グラス一杯だった水が蒸発して減ってしまうように、
せっかくの英語のインプットも消えてしまうので、もったいないです。

一般的には10歳くらいまでは継続しないと、それまでにインプットされた英語は全部忘れてしまうと
言われています。

 2. 「聞く力」がついたのかどうかわからない

考える男の子

目でも耳でもわかりやすい「話す力」と違って、「聞く力」は目にも見えず耳にも聞こえず、
親のモチベーションが上がらない、ということですね。

確かに、「聞く力」は「話す力」のように簡単にはわからないですね。

でも、わかる方法はあります。
・子ども向け英語番組の発音クイズでお子さまが全問正解した
・ディズニー映画(英語)視聴中、あるセリフについて「今の英語、何て言ったの?」と聞いたらぱっと答えた
・食事の時にかけ流していたクリスマスソングをいつのまにかスラスラ歌っていた
…などなど。

意識的にお子さまの聞く力に気づく工夫ができるとよいですね。
聞く力の蓄積とともに話す力が伸びていることも感じてほしいと思います。
お子さまの英語教育というマラソンのような長距離走の途中途中に、聞く力に気づいた時の心が躍る感覚。
こんな、親にとってのごほうびも、大切です。

私の教室でも、生徒さんの聞く力に気づいた時は本人をほめ、親御さんにお伝えするようにしています。
お子さまの英語力が伸びているのかどうか半信半疑の親御さんが、よかったーと安心されることも多いです。

 3. 効果がわかるまで一定の時間が必要

砂時計

続けている間に、本当にこの方法でよいのか不安になってしまうのですね。

確信が持てずに挫折しかけている親御さんは、日本語の場合に置き換えてみると、助けになるかもしれません。

ご存じのように、母語である日本語ですら2~3年ほど経ってやっと会話らしい日本語が話せるようになります。

またその後も日本語のレベルを上げるには、常に聞き続けていなければなりません。
日本に住んでいるので意識せずとも聞き続けていることから、子どもたちの日本語レベルは
どんどん上がっていくのです。

このように、「聞く力」があればこその「話す力」です。

日本語を例に考えていただければ、語学学習において「聞く」はすべての技能の出発点であり、
終わりのないものである、というのもうなずけるかと思います。

まとめ

・言語は耳から覚えるものです。4技能で一番最初から、そして一番長く取り組むべきは「聞く」訓練です。

・しかし、「聞く力」があってよかった!と感じた体験がなく、その重要性がピンと来ない人もいます。

・また、「聞く力」が蓄積されるまで一定の時間が必要なため、本当に聞く力がつくのか?という不安、
また「聞く力」の有無は「話す力」などと比べて他者からわかりづらいので、
「聞く」訓練をなかなか継続できない人もいます。

・「聞く力」の蓄積中に脳の中で起きていることをイメージし、聞く力に気づく方法も工夫してみましょう。
母語である日本語は聞き続けているからこそ話すレベルが上がり続けることを思い出しましょう。
長い距離を一緒に走ってくれる教室の先生は心強い味方です。

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