「うちの子もバイリンガルにしたい!」そんな思いを持つママは多いですよね。
でも、英語スキルだけにフォーカスしても、子どもは英会話できるようにはなりません。
私自身、25年間、多国籍企業でさまざまな国の同僚や専門家と仕事をしてきました。
その経験から気づいたのは、英語は手段に過ぎず、心を開いて相手とつながる力こそが、本当に使える英語力の基礎になるということです。
英語スキルだけでは英会話できる子どもは育たない理由
試験の点数と実践力のギャップ

日本では、TOEICの高得点や立派な大学を出ることが「英語力の証」と考えられがちです。
しかし、私は会社員時代、TOEICの点数が高くても会議で全く発言しない人や、相手の理解を確認せずに自分の意見だけを話す人も見てきました。
試験の点数のような、外的な評価は高くても、実践で使えるかどうかは別問題なのです。
幼児期の親子の関わりが自信を作る
では、英語スキルが順調に伸びたとしても、どこでどのように「せっかくの英語力を使えない人」が育ってしまうのでしょうか。
それは幼児期の親子の関わりに大きく影響される、と私は考えます。
子どもが自分の考えを言っても、親が否定したり価値を下げたりしてしまうと、子どもは新しいアイディアを言葉にする力を失ってしまいます。
子どもの意見を聞いた時のママの態度

とは言え、みなさんは「子どもの意見を否定なんてしていない」と思うかもしれません。
確かに子どもに対して、明確に「違う」「ダメ」とは言っていないかもしれません。
では、子どもが言ったことに対して「でも○○くん…」と言うことはないでしょうか?
「でも」は否定語
「でも」は否定語なんです。
相手の言ったことを否定したい気持ちが、「でも」という言葉を生み出します。
「でも」と言ってしまうママの心の内
私も母親なので、気持ちはわかります。子どもの考えは、大人からしたら浅いと思うこともありますよね。
前回同じことを言ってできたかったことを大人は覚えていたり、それをやった後こうなる、と大人は先読みができたりするので、つい「でも」が口から出てしまいますね。
それは、「失敗しないように」という親心から発される「でも」なのかもしれません。
あるいは、本当はママが望んでいる答えがあって、その通りの答えが返ってこないと、無意識のうちにイヤな気持ちになって、つい否定してしまう、ということがあるかもしれません。
無意識の「でも」が子どもに与える影響
ですが、何を言っても「でも」と返され続けた子どもの気持ちを想像してみてください。
- 結局自分が何を言っても、ママは受け入れてくれない。
- ママは「あなたはどう思う?」と聞くけど、本心では意見を聞く気はないんだ…。
そう感じさせてしまったとしたら、子どもが自分の考えを自信をもって表現する力は育ちません。
日本語の会話力が英会話力の土台になる

子どもが自分の考えを話せる環境の作り方
まずは、親が「子どもの考えを引き出す機会」を意識的に作りましょう。
その際、ママとしての許容範囲を決めておくことをおススメします。
たとえば、英語のDVDをいつどのくらい見るかを決める場面だとしたら、
ママが「ここは困る」という時間帯や曜日があるのであれば、その理由を言って「そこ以外」という条件を付けて子どもの考えを聞きます。
たとえば、映画のある場面に関する感想を交換したいのだとしたら、特に条件はないはずです。
大人が思ってもみない感想が出てくるかもしれませんが、「大人の常識」でそれを正そうとせず、「おもしろいなあ」と感じて楽しんでください。
自分の考えには価値があると感じる経験

たとえば、「すごいね」「面白い考えだね」といった声かけは、子どもに安心感を与え、自分の意見を自由に話しても大丈夫だと感じさせます。
自分の考えには価値がある、と子どもが感じる小さな経験を積み上げることは、子どもの生活の基盤である家庭での親子会話だからこそ、可能なのです。
もしかしたら学校では、先生が考える正解しか、答えてはいけない、という雰囲気があるかもしれません。
だとしても、家庭でなら、自分の考えや感じたことは無価値なのではない、大切なんだと、子どもが感じられる場を作ることができます。
日本語での自己表現が英語学習につながる理由
日本語で自分の考えを表現にできる子は、英語スキルさえ身に着ければ、英語でも表現できます。
一方で、普段から自分の考えを自信をもって表現できない子、自分の考えを言葉にする経験を家庭で積み上げていない子は、せっかく英語スキルがあったとしても、その英語を使って表現することはできないでしょう。
私たちは日本人なのですから、日本語力そのものが、英語力の土台なのです。
家庭で育む親子の会話習慣(英会話力につながる土台作り)

日常の会話で考えや感想をやり取りする
朝の会話や食事中に”会話”する
「今日は何が一番楽しかった?」や「どうしてそう思ったの?」など、
日常の会話で子どもの意見を引き出す質問を取り入れましょう。
Why?を聞くときに大切なのは、「どんな考えが出てくるのか知りたい!楽しみ!」というワクワクした気持ちです。
でないと、尋問・問い詰めになってしまうと、子どもは話したくなくなります。
そうならないために、ママが自分の考えや経験を織り込むのもおススメです。
子どもが考えたことを否定せず受け止めるコツ
「それは違う」と言わず、「そう考えてるんだね」とそのまま受け止めるだけで大丈夫。
それだけで、子どもは自分の言ったことを受け止めてもらえたことに安心します。
そして、おもしろいと感じれば「おもしろいね」と言い、いいなと思えば「いいね、ステキだね」と、素直に言いましょう。
さらに、どこがおもしろいとおもったのか、どこがステキだと思ったのか、も加えると、とてもいいです。
親が感想を言う時に、より具体的に伝えることが日常的になっていれば、子どもは自然と学びます。
“会話”の習慣化

1日5分から始めるステップ
習慣化のコツは、日常必ず行うこととセットにしてしまうことです。
食事の時、お風呂の時、おやつを食べている時、など、どこか一つを選んでみてください。
我が家では夕食の時、パパ・ママ・娘でたくさん会話しました。
例えばこんなことがありました(おそらく娘が小3の頃)。
- 夕食の後、家族で映画を見ることにしたが、映画の選択肢が3つありました。
- 一人ひとり、自分が今から見たい画とその理由を言いました。
- 私は娘が言った理由に「なるほど、私にはその視点はなかった!」と思い、夫もそう思ったとのことで、娘の希望した映画を見ることになりました。
もちろん幼児の頃は、こんな”会話”はできませんが、続けることで、会話の内容も成長します。
親が意識すべき「聞き役」「引き出し役」の工夫
親が質問を工夫して、子どもが答えやすい環境を作ることも大切です。
子どもの人生経験は親に比べて短いので、知らないことが多いのは当たり前です。考えを決めるために必要な情報があれば、子どもにわかるように説明することも必要です。
その上で、答えに正解を求めず、考えを引き出すことを意識してください。
短い人生経験の中で考えて子どもが出した答えは、それ自体に価値があります。
人生経験の長い大人が出す答えと比較して優劣をつけるべきではありません。
娘が自分で考えて考えを言ったこと自体に、「言ってくれてありがとう!」と、私は言っていました。本当にそう思ったからです。
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まとめ
英語スキル習得だけに目を向けず、家庭での日本語での会話力を育てることが、英語スキルを使う土台となります。
そのために大切なのは、安心して自分の考えを表現する環境作りです。
親子での会話を大切にして、まず日本語で自分の考えを表現する力を育てているんだと、ママも自信を持ってください。
思ってもみなかった子どもの意見を楽しむ心の余裕を持って、子育てを楽しみましょう♪

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