こんにちは。シャーンティKyotoのかよです。
シャーンティKyotoは京都の中心部、四条烏丸と烏丸五条の中間(下京区)で
英語とヨガの教室を開いています。
将来お子さまに、英語で苦労してほしくない、英語好きになってほしい、英会話が上手になってほしい、
という思いをお持ちの親御さん。
そのために、
幼少期から英語教材を用意してお子さまと遊んだり、英語の動画を見せたり一緒に英会話教室に通ったり。
がんばるほどに、順調にお子さまとの英語時間が増え、少しずつ英語のアウトプットも増えてきます。
4歳を過ぎ、お子さまは親御さんの期待通り、英語を続けています。
5歳、6歳と成長しても、「英語は楽しい」という気持ちが育っている様子を嬉しく感じながらも、
お子さまがアウトプットする英語を聞くと、どうも気になってしまうことがあります。
それは、文法上の間違い(文法ミス)。
本日は、お子さまのアウトプットする英語の文法ミスがどうしても気になった時の対応について、
お話をしていきたいと思います。
子どもの英語教育の順調な滑り出し
赤ちゃんが興味のあるものをじっとみつめたり、
「あー!あー!」などと言いながら笑顔で身体を動かしている様子、とってもかわいいですよね。
1歳を過ぎ、”Clap your hands!”と言いながら親が手をたたいて見せると、手をたたく様子。
2歳を過ぎ、ポロリと出てくる英語は、親が驚くほどのきれいな発音。
3歳を過ぎ、親の問いかけに対し、リピートではなく質問を理解して、英単語で答える子も出てきます。
簡単なセンテンスを言える子も。
親御さんは、がんばってきてよかった、と嬉しくなりますね。
そして、もっとがんばろうと、思うかもしれません。
4歳、5歳、6歳と成長し、何とか少しずつでも、英語は継続できています。
聞いて理解できる英語はかなり増えています。
そして、センテンスでのアウトプットも増えてくる…のですが、それと同時に、
親御さんには気がかりなことができてしまいます。
子どもの英語の文法ミスが気になり始める時期
大人ならではの気がかり。それは「文法」です。
例えば;
答える時に何でも”It’s a …”から始める子。
What’s Mickey doing?と聞かれて、
It’s a Mickey jumping!
うん?
目を輝かせて、大きな声で英語をアウトプットしたけど、それは、
Mickey is jumping. ではないのか….
“It’s a” は要らないし、”is”も抜けている…。
しかも、もっと言えば、
He is jumping. ではないのか…。
(ちなみにお子さまによるでしょうが、何でも”It’s a …”で答えてしまう時期、ありますね。
私の娘にもありましたし、私の教室の幼児さんにもあります。)
気になり始めたら、特に、文法をよく勉強された親御さんは、とことん気になってしまうかもしれません。
・三人称単数の”s”がない、
・isとareが使い分けられていない、
・1つなのに複数形にしている(例:an apples)
などなど…。
そんな時、どうされますか?
〇〇ちゃん、違うよ、と声をかけて訂正しますか?
文法ミスは直さないのがベスト
実は、「こういう時どうしたらいいでしょう?」というご質問は、
幼児さんの親御さんからよく受ける質問の1つです。
私がいつも開口一番でお答えするのは、
直さなくていいですよー。
せっかく気持ちよく英語をアウトプットしてるんですから、気持ちいいままにさせてあげてくださいねー。
大きくなるうちに自分で気づいていきますから、心配しなくていいですよー。
…といった感じのことです。
もちろん、違うお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私がそんな風に親御さんにお伝えするのは、こんな風に考えるからなのです。
「違うよ」(=否定)により失うかもしれない大切なもの
・幼児さんの時期は、「英語は楽しい」、「英語が好き」、という気持ちを育む大切な時期です。
・この時期は、正しく言えているかどうかよりも、英語をアウトプットしようという気持ちや姿勢が
育ったことの方が、ずっと重要です。
・小さい子でも、「違うよ」と否定されるのはとてもイヤなことです。ましてや大好きな親御さんから
否定されるなんて、とても悲しいことです。これが原因で英語が嫌いになってしまうかもしれません。
また、何度も繰り返し直されることで、自信をなくしてしまい、 アウトプットすることが怖くなって
しまうかもしれません。
そんなことになってしまうリスクに比べたら、
この時期に文法上正しく話せていないことは、大して重要ではありません。
だって、思い出してください。
母語である日本語だって、まだ全然完璧じゃないですよね?
そして、想像してください。
TOEICで高得点をとっているはずなのに、いざ外国人と英語で話すとなると、
自信がなくて一言も発言できない大人もいます。
自信を育てることの方が、大切です。
「楽しい」という気持ちが継続を生み、継続が自信を生みます。
子どもの気持ちと親心
「こういう時どうしたらいいのかな?」と疑問に思う親御さんは、お子さまの様子をよく見ておられますね。
お子さまの気持ちを大切にしたいと思っておられるのですね。
疑問を持たずにお子さまの英語を直し続けておられる親御さんも多いかもしれません。
親御さんのうちどちらかが、お子さまに英語を言い直させたり難しいことを言わせようとしたりして、
お子さまがやる気をなくしてしまって困っている、というお話を、
もうお1人の親御さんから聞くこともあります。
お子さまのためを思って一生懸命やっておられる、という親心自体はもちろんすばらしいです。
ただ、「今」はお子さまの長い成長過程のうちのごく一場面にすぎません。
あせらなくても大丈夫です。
日本語との比較で得るあせらない心
日本語について考えてみると、確かに…と思うことができるかもしれません。
生まれてからずっと聞き続けている日本語でも、話せるようになるのに2~3年、
また遅い子は4年くらいかかります。
それだけの長い期間、たくさんの日本語をインプットして、言葉の意味を理解して、やっと話せるようになる、
ということなのです。
日本語の助詞(〇〇が、〇〇を、〇〇に、〇〇で、等)を理解して使い分けられるようになるのは、
大体4~5歳頃と言われています。
そして、今後も日本に住んで、たくさんの日本語に触れて成長していくので、
お子さまはこれからもっともっと日本語が上手になっていくと、
どんな親御さんも、信じることができているはずです。
英語は、日本語に比べてインプットが少ないので、日本語よりも習得に時間がかかるのは、
納得できるかと思います。
日本語と同じように、英語のインプットを効果的に続けていけば、
お子さまはこれからもっともっと、英語も上手になっていきます。
そう信じることができれば、あせらない心が手に入れられます。
幼児期の英語教育で一番大切なこと
英語教育において、幼児さんの時期は、耳からたくさんインプットすることが一番大切な時期です。
その時期にたくさん聞いた英語の中から、何かをアウトプットできたら、
アウトプットの内容よりもまずはアウトプットできたこと自体を丸ごと受け止めて、
喜んであげることが一番大事なのです。
どうしても気になる時の対応
とは言え、やっぱり文法上正しくないアウトプットがどうしても気になることもありますよね。
そんな時は、私はこんな風にしてきました。
子:It’s a Mickey jumping!
親:Yes! Good job! Mickey is jumping!
“Mickey is jumping!”のところをゆっくり、はっきり言って、これを一緒にアウトプットしようと促すのです。
否定せず、丸ごと受け止めた上で、これを繰り返すことで、
いずれ本人が「ああ、こう言うんだな。」と気づきます。
自分で気づくのが、定着への一歩です。
お子さまの英語の文法が気になる親御さんは、ぜひこんな方法を試してみてくださいね!
お子さまのアウトプットする英語の文法ミスがどうしても気になった時の対応について(まとめ)
・英語のセンテンスのアウトプットが増える4~5歳以降、お子さまの英語の文法ミスが気になっても、
「違うよ」などと指摘して直させるのはおススメではありません。
・大好きな親から「違う」と否定されたお子さまが、英語を嫌いになったり、
自信をなくしたりするリスクに比べると、この時期に文法上正しい英語が言えていないことは、
大して重要ではありません。
・この時期は、英語をたくさん耳から聞いて、英語は楽しいという気持ちを育てることが一番大切です。
「楽しい」という気持ちが継続を生み、継続が自信を生むからです。
・お子さまの英語の文法がどうしても気になっても、まずはお子さまのアウトプットを丸ごと受け止めた上で、
親御さん自身が正しい英語をゆっくりアウトプットして、一緒に言ってみましょう。
これを繰り返し、お子さまが自分で気づくのを待ちましょう。