「バイリンガル」という言葉は聞いたことがあった。
親のどちらかが英語ネイティブとか、日本人だけど海外在住、とかいう環境に育った人がバイリンガルになるんだと思っていた。
だから、自分には程遠い世界。
…だったけど、
子どもが生まれてから、おうち英語教材の存在を知った。
◎子どもが英語をペラペラ話してる、おうち英語教材の宣伝
◎おうち英語で子どもをバイリンガルに育てた人のブログ記事
◎#バイリンガル育児、#バイリンガル子育て、の投稿
程遠いと思っていた世界が掴めるかもしれない。
日本人である私たちの子どもを、日本に住んでいながら、バイリンガルに育てられるかもしれない。
私にも「バイリンガル子育て」ができる?
という淡い期待を持って、おうち英語を始めた。
バイリンガル子育てができなかったらおうち英語は失敗?
そして今、子どもは10代に成長した。
発音はいいし、
自分への英語の質問はほぼ理解しているし、
簡単な受け答えはできる。
でも、バイリンガル子育てには程遠かったのでは?と感じる。
バイリンガルだったら、
あまり考えなくてもすっと英語が出てくるんじゃないの?
子どもはやっぱり英語を言うときは考えている。
英語の方が楽、という感じではない。
バイリンガルにならなかったら、おうち英語は失敗なの?
…いいえ、少しお待ちください!
おうち英語習慣化コーチの向井佳代です。
オンラインでおうち英語ママに:
ほしい未来を叶えるおうち英語マイプラン作りと習慣化サポート、
年長~小学生のおうち英語キッズに:
とっさの英語も怖くない信頼コミュニケーションができる子になるオンラインレッスンをしています。
このブログは
バイリンガル子育て失敗?と思いがちなおうち英語ママに向けて、
海外お仕事歴25年、
おうち英語歴10年、
DWE卒業済みのおうち英語習慣化コーチが
おうち英語のゴールはバイリンガル子育てではないことについて解説します。
他のおうち英語ママのバイリンガル子育てを知った時の私
とはいえ、私も一瞬、同じように思ったことがありました…。
私が教材を買って、おうち英語を始めたのは、娘が2歳の時。
フルタイムの会社員だったので特に平日は時間が限られており、普段は英語音声のかけ流しが中心です。
コチラの記事、
「英語4技能は何から始める?~言語は耳から覚えるもの」も参考になさってくださいね。
娘が小学校にあがってから、
子どもとの会話は全て英語!に徹しているおうち英語ママたちと知り合うようになりました。
そのお子さんたちの口からスルっと英語が出てくるのを見て、私が感じたこと;
これが「バイリンガル子育て」というものなのか!
うわっ、わたしもやっとくべきだったかな?
娘の貴重な幼児時代はもう終わってる…。
もしかしてこれまでの約5年間を無駄にしてしまったの?
バイリンガル子育てとは何か?
・・・とこんな風に、
一瞬焦った私でしたが、
◎私の思う「バイリンガル」とは何か?
◎「バイリンガル子育て」とは何か?
◎おうち英語をやりつつも、自分が何を大切に子育てをしてきたのか?
ということを確認し、振り返ってみると、すぐに心が落ち着きました。
私は子どもをバイリンガルにすることを目指そうとは思っていなかった。
と気付いたからです。
順に、お話していきますね。
私の思うバイリンガルとは何か
「バイリンガル」、というと、私の持つイメージは、
2つの言語を、どちらの方が楽、ということもなく、同じくらい自由に使える人というものです。
例えば私自身は、日本語と英語の「聞く・話す・読む・書く」ができますが、日本語の方が断然「楽」です。
22歳の時、10カ月のイギリス留学から帰国しました。
日本語で聞いて日本語で話すことのできる生活って、何て楽なんだろう!と感動して、心が震えた(苦笑)したのを覚えています。
なので、自分では自分のことをバイリンガルとは思っていません。
ということで、このブログはそういう前提で書いていきます。
ただ、実際には、「バイリンガル」という言葉の意味はものすごく幅広くて、私みたいなケースも「バイリンガル」の一部に含まれるらしいです。
<参考図書>
『バイリンガル教育の方法 – 12歳までに親と教師ができること』
中島和子・著 株式会社アルク
バイリンガル子育ての各種方法
絶対これをする、という決まった定義はないですが、
日本に住みながら、日本人の両親が、子どもをバイリンガルに育てるためにできることをいくつか挙げます。
この中からどれを選んで「バイリンガル子育て」と呼ぶかは、ご家庭次第です。
◎市販のおうち英語教材、YouTubeやTVの英語プログラムなど(インプット)
◎親から子への英語での語りかけ、英語の読み聞かせ~英語での親子会話(インプットとアウトプット)
◎英語で保育を行う保育園・幼稚園・プリスクールと呼ばれる施設など(インプットとアウトプット)
◎インターナショナルスクール(インプットとアウトプット)
◎親子留学、英語キャンプなど(インプットとアウトプット)
などなど。
私がバイリンガル子育てをしなかった理由
我が家で活用したもの;
◎おうち英語教材
◎英語キャンプ
我が家でやらなかったこと;
◎英語での親子会話、英語での読み聞かせ
◎英語保育を行う施設やスクールへの入所
この、「我が家でやらなかったこと」をやれば、娘は(日本語ではなく)まず英語が口から出てくる、という状態になったのではないかと想像できます。
(話す内容自体は幼児レベルですが。)
でも私には、それよりも娘の中に育みたいと思ったものがありました。
理由1:母語である日本語力が全ての土台
親子の会話は、日本語でした。
なぜなら私は、母語である日本語力が一番大事と思っていたからです。
日本人ですから。
日本語力と、日本語力が土台となる国語力が、子どものその後の生活、人との関り、ものの見方、考える力、などなど、全てを豊かにするのに欠かせないと、考えました。
日本に住んでいれば、日本語は自然に身につくと思われるかもしれません。
学校に上がればだれもが国語を学び、日本語力がアップしていくと思われるかもしれません。
でも私は…残念ながら、必ずしもそうではないと、思ったのです。
なぜなら、会社員として25年働いてきた中で、いろんな人の文書や口頭での説明に接した時に、
(失礼ながら…!)
言いたいことがよくわからない…
この人、国語力が今ひとつでは…
と感じる経験もしてきました。
また、長年英語を学んできた中で、
逆に、日本語の音の美しさとか、言葉の奥深さも感じてきました。
だからこそ、外で自然に日本語を覚えてくるからいいや、ではなく、
◎人に伝えるための日本語
◎美しい日本語を、
私自身が意識して子どもに伝えよう、という気持ちがあったのです。
理由2:地域コミュニティとのつながりで育むアイデンティティ
保育施設や小学校について、英語保育・英語教育の有無は特に考えませんでした。
逆にどちらかというと、地元の多くの子どもたちが経験する保育園・小学校での経験を娘にもしてほしい、地域コミュニティとつながって、育ってほしいと思っていたのですね。
未来に世界のどこに住もうとも、自分の育った地域・人への温かい思いが胸の中にある。
そんな風にしてあげたかったのです。
社会に出て、または世界に出て、多様な人々の中でもまれて迷う時でも、
「自分はこんな場所でこんな風に育ってきたこんな人だ」という感覚があると、自分で自分を認め、自信を持つための助けになると思いました。
その感覚を少し難しい言葉で言うと、「アイデンティティ」です。
というわけで、
地域コミュニティとのつながりを大切にしたかったのも、
その先にある、娘が英語で世界とつながる未来を想っていたからだったのですね。
理由3:英語教育ゴールまでの長いスパン
子育ての区切りの時期って、ありますよね。18歳?20歳?あるいは就職するまで?各ご家庭での考え方によりますが、いずれにしても、親が手をかけて環境作りをし、子どもの英語時間を演出する、という形でのおうち英語は大体その半分くらいの時期に卒業することになると思います。
その後、英語力を高め続けていくには、本人の意思と努力に拠る部分が大きくなっていきます。
そして子どもの英語教育のゴールはいつなのかというと、
◎学生を卒業して社会の役に立つ人になる時。
◎英語力も活かして(もちろんそれだけではなく^^)人の幸せに貢献できる仕事ができ、自分の人生を豊かにできる人になる時。
ではないでしょうか?
という長いスパンで考えると・・・、
幼少期にいくら親が「バイリンガル」を目指したとしても、
◎子育ての後半は子どもの意志が重要になってくるのであり、
◎おうち英語の基礎がある子であれば、その子が強い意志を持てば、そこからでもいくらでも英語力を伸ばしバイリンガルにもなれるので、
おうち英語期に「バイリンガル」にしなければ!と、親が焦る必要はない、
と、私は感じていたのですね。
なお私は、おうち英語卒業期には、
◎英語耳・英語力の基礎・英語への親しみ◎
が育っていればそれで十分、と思っています!
よろしければコチラの記事、
「英語力とは?おうち英語卒業期に必要な子どもの英語力とは何か?」
もご参照くださいね。
おうち英語卒業後の親サポート
ということで、
おうち英語卒業後は、子育ても後半に入っています。
バイリンガル子育てをできなかったからといって、落ち込む必要はありません!
失敗でもなんでもありません!
英語に関する親からのサポートは、子ども自身が、英語を学ぶ目的を見つけるためのサポートにシフトしていきましょう。
自分の好きなことを将来やりたいことにつなげていく時、言葉の壁がなければ、どんどん可能性が広がるんだよと、気づかせてあげてください。
親自身がアドバイスしてサポートするのもよいですし、
また、信頼できる英語の先生やコーチを見つけてくる、というサポートもできるでしょう。
私自身は、娘がステキな大人たちとたくさん触れ合うのは良いことだと思っていました。
なので、考え方に共感できたり、信頼できると思える習い事の先生に、積極的に娘を預けていました。
親は総合的に子育てをコントロールする立場。
多くのステキな大人と知って私自身も学ぶことは、もう一つの子育ての喜びでした!
まとめ:バイリンガル子育て失敗?いいえ!おうち英語=バイリンガル子育てでなくてよい理由3つ
おうち英語卒業期なのに、子どもはバイリンガルって感じじゃない。
バイリンガル子育てができなかったら、おうち英語失敗?とお悩みのお母さま、
全然そんなことはありません!
◎英語での親子会話をあまりやっていなくてもOK。
日本人ですから、一番大切なのは、母語である日本語の力です。
◎英語保育施設・インターナショナルスクールに通っていなくてもOK。
自分の育った地域・人への温かい思いは、世界の多様性にもまれる時も、自分に自信を持つ「アイデンティティ」となります。
◎英語教育ゴールまでの長いスパン英語教育のゴールは、英語を活かして人の役に立てる人になること。
おうち英語期はその前半に過ぎないので、焦る必要はありません。
おうち英語卒業後、子育て後半期は、子ども自身が英語を学ぶ目的を見つけるためのサポートにシフトする時期。
お母さまがプレゼントした、おうち英語で培った土台をベースに、
子どもは自分の意志と努力でバイリンガルへの道へと進むことができます!