「書くのは嫌いと言われました」
「アルファベットの大きさがバラバラなんです」
小学1〜2年生の生徒さんのママから、こんな相談を聞いてきました。幼児期から家庭で英語を続けてきたからこそ、小学生になると読み書きも気になりますよね。
書く練習の進め方を考える時は、学年だけでなく、今のお子さんの英語の力と、手や指の発達を見てあげましょう。
聞く・話す・読む力と、自分の考えを言葉にする力。書くための土台を、今の発達段階に合わせて育てていきましょう。
書き取りを増やす前に、聞く・話す・読む力を育てたい

幼児の頃は「英語を話せるようになってほしい」と思っていたのに、小学生になると急に読み書きが気になる。
子どもには英語で苦労してほしくない。そんな願いがあるからこそ、これまで続けてきた歌や会話に加えて、そろそろ読み書きの練習にも力を入れたほうがよいのでは、と迷うのだと思います。
読んだり書いたりする練習を増やす前に、今、どんな英語を聞いて分かり、話して使えているかを見てあげましょう。大切なのは、聞く、話す、読む、書く、というつながりです。
耳で聞いて分かる言葉を、口にして使ってみる。音と文字の関係を知り、言葉や文を読めるようになる。読めるようになれば書けるようになる。
英語教育にも取り組むイギリスの公的な国際文化交流機関、ブリティッシュ・カウンシルの保護者向け解説でも、書く学習の前に、話し言葉の土台を育てる大切さが説明されています。参考:小学生の英語ライティング力を伸ばす方法
今まで続けてきた英語の歌や会話、本に触れる時間を通して、子どもの中には理解できる言葉や使える表現が増えていきます。まだ書く練習を始めていなくても、書くために必要な言葉の土台は育っています。
アルファベットの名前と、言葉の中の音をつなげる
文字を読む準備として、大文字・小文字の形と、その文字が表す音を結びつけていくことも大切です。
たとえば、大文字の「B」と小文字の「b」が同じアルファベットだと分かる。「b」を見て、知っている言葉「ball」の最初の音を思い浮かべられる。
「ビー」という文字の名前が言えるだけでなく、言葉の中でどんな音を表すのかが分かる、ということですね。今のわが子がどこまで分かっているかを見ながら、音と文字をつなぐ経験を重ねていきましょう。
文字の形だけでなく、手や指の準備も見てあげてください

幼い頃、丸や線をたくさん描いていた姿を覚えていますか。
鉛筆で文字を書く時には、手や指を細かく動かすことが必要です。視線を手の動きに合わせたり、力の入れ加減を調整したりもします。
英語の言葉が分かることと、それを紙の上に整えて書けることには、それぞれに準備があるのです。
アルファベットの大きさがそろわない時、ママの目はつい、書き上がった文字へ向きますよね。そこだけでなく、書いている時の手や指の様子も見てあげてください。
体の発達には個人差があります。学年だけを目安にせず、わが子の様子と、文字を書く作業のタイミングを合わせることも大切です。
もちろん、子どもが「書いてみたい」と思ったなら、やらせてあげてくださいね。
その時には、「バランスよく書かねばならない」というママの気持ちは、いったん手放してみましょう。書いてみたいという気持ちを、次の一歩につなげたいからです。
日本語で、自分の思いや考えを話す時間を大切に

英語に取り組む時間とともに、低学年のうちに大切にしてほしいことがあります。日本語で交わす、普段の親子の会話です。
「なぜそう思うの?」
「思ったことを、どんな言葉で表せるかな?」
そんなやり取りを、日常に織り込んでみてください。
自分が感じたことや考えたことを言葉にする。相手に分かるように伝えようとする。
「自分は何を伝えたいのか」を考え、言葉を選ぶ経験になります。ママが英語で質問したり、英文を教えたりしなくても、家庭で育てられる土台です。
今育てている土台が、将来の「英語で書いて伝える力」につながる

ここまでお話ししてきたのは、低学年の今、育てたい土台です。ここから少し、その先に目指す姿を見てみましょう。
将来は、英語で話して伝えられることを、書いても伝えられるようにしていきます。自分の思いや考えを書くには、まず、その内容を英語で話せることが土台になります。
短い一文で気持ちを書くところから、理由を添えたり、相手に分かりやすい順序で文章を組み立てたりするところまで。その中にも、たくさんの小さな段階があります。
低学年の今、そのすべてを目指すということではありません。 文字を整えて書くこと、単語のつづりや文の決まりを身につけることにも、それぞれ練習が必要です。
ここでも大切なのは、まず自分の思いを英語で話して伝えられるようになり、その話せる内容を書いて伝える、という順番です。いきなり「まず書いてみよう」から始めるのではありません。
聞く・話す・読む経験や、考えを言葉にする経験を重ねながら、話せることを書けるようにしていく。将来の姿を見据えながら、今のわが子に必要な土台を育てていきましょう。
日々の積み重ねの中で、子どもの変化を見つける

「書くのは嫌いと言われました」「アルファベットの大きさがバラバラなんです」と相談してくださったママたちとは、ご家庭での様子を聞き、どう関わっていくかを一緒に考えながら、子どもたちの成長を見守ってきました。
ご家庭では、続ける工夫や忘れない工夫をしながら、英語に触れる習慣を作っていきます。私からのリーディング指導では、一人ひとりの読む力に合わせて練習し、本の内容についてどう思ったかを英語で話す時間も設けています。
そんな日々の中で見てきたのは、読めたかどうかだけでなく、自分で考え、言葉にして伝えようとする姿です。
文字を書くための体の発達と、経験を重ねて育つ英語の力や考える力は、並行して進んでいきます。書く姿には、その子の性格や、「読む相手に伝わるように」という心の成長も表れます。
書いた文字の背景には、こうしたさまざまな育ちが重なっています。 文字の形だけでなく、聞く、話す、読む、考える、相手に伝えようとする姿にも目を向けて、小さな成長を見つけていきたいですね。
わが子の英語の進め方に迷ったら
「そろそろ読む力を育てる時期?」「家庭では、何を続ければよいの?」
わが子に当てはめると迷うこともありますよね。LINE公式では、子どもの英語について相談できる入口をご案内しています。

英語の本を読む力を育てたい方へ
「人に語れるリーディングチャレンジ」では、本を使って文字や単語を読むところから、一人ひとりに合わせて進めます。
読めるようになったら、内容や感じたことを英語で話すことにも取り組みます。
2〜6歳のお子さんがいる方へ
家庭で英語を始めたいけれど、教材の選び方や続け方に迷っていませんか。
「世界とつながる!英語のタネまきサロン」は、音声で学び、相談会などを通して、ご家庭に合う英語の取り入れ方を見つけていく場所です。
まとめ|発達に合わせて、英語と親子会話の土台を育てよう
家庭での英語は、10年という長い見通しで考えてほしいと思っています。小学生になったからと、書き取りだけを急がない方がいいです。
書いて伝える力には、聞く・話す・読む力の土台が必要だからです。その順番と、手や指の発達に合わせて進めていきましょう。
今できること、楽しんでいることに目を向けて、発達段階に合う取り組みを選びましょう。日本語で思いや考えを伝え合う時間も、その一つです。
焦らず、日々の小さな成長を一緒に喜んでいきましょう。大丈夫です!

